天然屋のものづくりについて

我が社は愛知県蒲郡市で寝具の企画販売会社をしている会社です。私は1993年に入社しました。入社当時は、取り扱い商品の中に占める中国商品の割合が90%を超えるような輸入販売中心の会社でした。中国出張で生産現場を視察した際、大量の化学薬品を使用している様子を見て大きなショックを受けました。私は大学時代、環境問題について勉強し、入社後はNGO法人 ネットワーク地球村の会員として活動してきましたから、地球環境を守りたいという自分の考えに反する生産現場の状況を目の当たりにして、自分の会社は本当にこれでいいのだろうかと悩みました。あれから約20年、「地球環境に優しく、人の体に害のない商品を普及すること」を経営理念に、自分の信念に基づく経営を行ってきた結果、現在では取扱商品のうち90%以上が国産商品になり、我が社の考えに賛同してくださるお客様も増えました。

天然の素材にこだわること、製造工程でなるべく化学薬品を使用しないことを心掛けると共に、「睡眠改善アドバイザー」と「おねむりレクチャー1級」の資格を取得したこともあり、自らの睡眠に関する知識を商品作りにも活かしています。また、お客様向けに天然素材の素晴らしさと快適な睡眠との関係性についての講演活動もさせて頂いております。

さて、今回は、我が社が考える「夏の寝具選びのポイント」についてご紹介させて頂きます。

睡眠の観点から言いますと、人は深部体温がマイナス1℃下がると入眠のスイッチが入ると言われています。夏の睡眠環境は気温が28度~30度、湿度が80%以上になり、なかなか深部体温が下がらない環境の為、寝苦しいのです。そのため、夏の快眠のためには「背中を涼しくする事」が大切です。夏場はどうしても背中が蒸れてしまうので、まず第一に、通気性が良く、蒸れにくい敷き寝具をおすすめします。

蒸れにくく、涼しい素材といいますと、やはり「麻」が一番です。ただ、麻と一言で言いましても、種類が多く、それぞれの特徴があります。

一番品質が高く、高価な麻は「リネン(亜麻)」です。リネンはヨーロッパ中心に栽培されており、“ランジェリー”という言葉がリネンに由来していることからもわかるように、最高級下着などにも使われる、肌触りの良い素材です。

次が「ラミー(苧麻)」と呼ばれる麻です。こちらは中国で栽培されています。日本の市場に多く出回っている麻がラミーです。

その次のランクが「ヘンプ(大麻)」です。戦前の日本では、神社の注連縄(しめなわ)、相撲力士のまわし、神社の神主さんの衣装など、いろいろな場面でヘンプが使用されていました。その後、GHQの占領政策で「大麻取締法」が制定されたこともあり、現在ではほとんど栽培されなくなってしまいました。

さらに、「ジュート(黄麻)」と呼ばれる麻もあります。ジュートは、災害用のズタ袋などに使われています。

我が社の製造している麻の敷きパッドは、肌に触れる面には、リネン100%の最高級のガーゼ織り生地を使用しています。中わたはラミー100%(洗濯機で洗える麻わた)です。中わたにリネンではなくラミーを使用しているのは、中わたについては通気性の高さが非常に重要だと考えているからです。

サラリとした状態を朝まで保つには、中わたの役割が非常に重要なのです。敷き寝具を選ぶ際によく注意して頂きたいのは、中わたの素材が何かということです。表面に麻を使用しているため「麻の敷きパッド」として販売されているのだけれど、実は中わたはポリエステル100%という商品が市場には溢れています。ポリエステルは通気性が悪く、熱がこもってしまうので、背中の蒸れの原因になります。

我が社の敷きパッドの多くは、裏生地に立体メッシュを使用しています。このメッシュ生地は、特許技術を持つ日本国内のメーカーが作っている生地です。空洞立体構造ですので、湿度や蒸れを空気中に逃がすことができ、敷きパッドの通気性を妨げることがありません。さらにクッション性が高いので、ふわふわとした弾力が生まれ、快適な使用感を味わって頂けます。

風薫るリネン敷パッド構造図のコピー 風薫るフワフワ麻わた敷パットタタミ3 風薫るフワフワ麻わた構造img2

次に、掛け寝具について、選び方のポイントをお伝えします。夏場の掛け寝具の素材については肌触りのお好みで選んでいただくのがいいかと思います。ふんわりと柔らかな肌触りが好みなら綿素材、シャリ感を求めるなら麻素材といったところでしょうか。

夏場の掛け寝具については、素材もさることながら、織り方にこだわって、ガーゼ織りのケットをお試しいただきたいです。ガーゼは、通気性が高く蒸れにくいので、夏場におすすめです。さらに、多重(何重かに重なった)ガーゼであれば、生地と生地の間に空気をためることができるので、適度な保温性も保たれます。さらに、ふんわりと軽く、早く乾くというメリットもあります。

我が社の「風薫るリバーシブルのびふわケット」は、冷房による寝冷えにも対応するよう考えられています。一般的に、男性は暑がりで、女性は寒がりで冷え性の方が多いとされています。女性に比べ筋肉量が多い男性は、熱を作りやすいためです。女性は脂肪が多く、筋肉量が少ないので、一度冷えるとなかなか温まらないのです。そのため、寝室の冷房設定温度を男性に合わせると女性は冷えてしまいますし、逆に女性に合わせると男性は暑くてなかなか寝付くことができないという状況になります。そこで開発したのが「風薫るリバーシブルのびふわケット」です。このケットは、片側がさらりとしたリネンのガーゼ生地、片側が起毛を施したふんわり綿素材となっています。自分の体感温度に合わせて使い分けができるのです。生地の織り方にも工夫がありまして、タテにもヨコに伸びますので、やさしく身体の動きに寄り添います。ポコポコした凹凸があるので、その凸凹に空気をためこむことが出来、適度な保温性もあります。

近年、化学繊維で、触るとヒンヤリするような涼感寝具が多く市場に出回っています。接触冷感(触れた瞬間にヒンヤリするかどうか)もポイントの一つではありますが、化学繊維の弱点とも言える通気性の悪さという点も忘れずに考慮していただきたいと思います。しっかり汗を吸い取ってくれる素材かどうかという点も非常に重要なポイントです。人は一晩でコップ1杯の汗をかきます。天然素材は吸水性・保温性に優れており、睡眠中の身体の修復作業を邪魔しにくいので、しっかりと休息をとることができます。

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このように我が社は、天然素材の良さを活かして、皆様の睡眠をサポートできるものづくりに励んでおります。

今後とも天然屋の商品をよろしくお願い申し上げます。

株式会社山繊 天然屋事業部

代表取締役 山本 亮

2016年5月30日